ぼくの精子を守って
 

INDEXへ




僕の精子を守って Update:2003/1/30(Thr) 01:00



 「男は白ワインを飲むとねぇ、精液がすっぱくなるのよ!




どうもこんばんわ。 4日ぶりの更新の遊星@管理人です。

白ワインを飲むと精液がすっぱくなる。

いきなりこんなこと言われたみなさんとしてはとうとうアレか?

遊星の病気が始まったかと思われたでしょうが、実はそうじゃない。

これは昨年いっしょに飲んでた女の子が下ネタトーク開始と同時にいきなり発し

周囲にいた男性陣をアメリカザリガニの如く引かせたお言葉で、

なんでも昔いっしょに白ワイン飲んだ男とHし、彼の精液飲んだら酸っぱかったからだとか。

つまり 男が白ワインを飲む → 精液がすっぱくなる

なんだか知恵というか裏技というか

伊東家の裏技に出したら伊東四郎のメガネにヒビが入りそうなネタなんですが、

更にその女の子は調子を良くしたのか


 「ビールを飲ませたあとだと今度は苦くなるのよ


などとアサヒビールもビックリな発言まで飛び出す始末。

引いてる引いてる! 男性陣みんな引いてるよ!

これが西部劇だったら「待ちなよ」と言ってホルスターに手をかけてるところですが、

性行為の直前に飲んだものがそのまま精液の味になる。

この諸説は果たして本当なのでしょうか。 なんだか気になって仕事が手に付きません。

まさか男の私が自分で飲むわけにもいきませんし、

だからと言って会社の女の子に


 「ビール飲んだあとの男の精液って苦いの? ねぇ、苦いの?」


などと聞くとビール以上に苦い顔されるのは火を見るより明らか。

次の日からおーいウタマロくんなる御名を頂戴するハメになりましょう。

もしくは美味しんぼ第一話のごとく精液に 「イ」 「ロ」 「ハ」 のラベルを付けて

究極のメニュー担当者試験だ!とムリヤリ飲ませるのはどうでしょう?

( 山岡 「ワインと精子は旅をさせちゃいけない」 )

この方法のいいところは相手が美味しんぼフリークだとシャレで済ませられるけど、

ヘタをすると就職よさようなら、法廷よこんにちわになるので注意が必要だよ!




えーと、さっきから自分で書いてて

「ワインと精子は旅させちゃいけない」の意味がさっぱりわからないんですが、

というか、この精液の味の話自体は果たして本当の話なんでしょうか。

酸っぱいもん飲むと精液が酸っぱくなる。 ビールを飲むと苦くなる。

じゃあなにか、甘いもん飲んだら精液は甘くなるし、

片栗粉飲んだあとだと精液は固まるんだな!?

片栗粉飲むと精子達が固まって、キングスライムみたいに合体するんだな!?




ハァハァ・・・ で、出るッ  (う!)








ボト





突然僕のムスコからボトッと落ちてきた一匹の精子くん。 (直径10cm総当)

混乱する僕をよそに、布団の上でピョコピョコ動き出す精子くん。

なんたること、どうやら事前に飲んでおいた片栗粉のせいで精子が合体してしまったようだ!

なにコイツ! なにコイツ! かわいいなぁ。

シッポの振り方がとってもキュート! 目元なんか俺にそっくりです。

これがアイフルのCMだったら 「ボーナスまで待ちな」 と言い張るところですが、

残念ながらもう待てません。 お前は俺の、家族だ!! ガバッ (抱きしめる)




○月×日 はれ

僕と精子くんの共同生活が始まった。

狭いながらも、楽しい我が家。

僕にとっては初めての子供だ。 あとで親にも紹介しなければならない。

自分の子供に精子くんと言うのもなにか変なので、とりあえず雷電と名付ける。

「雷電」と呼ぶと心無しか笑ったようにシッポを振ってくれた。 これからよろしくな、雷電。





○月■日 くもり

雷電との共同生活も2日目となりました。

狭いながらも、楽しい我が家。

ところが2日目にして早くも問題が浮上してきました。

お乳が出ません。

ちくしょうなんてこった! このままじゃ雷電は餓死してしまうじゃないか!

雷電を自分の乳首にグイグイ押し付けるも、一向にお乳の出る気配はありません。

吸って! 雷電、吸って!!

ちくしょう、なんのためのハト胸だ。 不出来な親を許しておくれ。

泣きながらテーブルの上を見ると、雷電はティッシュをもしゃもしゃと食べていた。

ドピュッ ドピュピュピューッ!!

僕のことを 「お父さん」 と呼んでくれた。 そんな気がしたある冬の空。

狭いながらも、楽しい我が家。






会社の帰りにこのストーリー考えてて寂しくなってきたのでそろそろやめますが、

この話を通してなにが言いたいかっていうと俺はハト胸だってことなのね。

いやそんなこと言いたいんじゃなくて。

ちなみにこのホームドラマ 『僕の精子を守って』 には続きがあって、

第3話では遊星が両親に 「子供ができた」 と報告して相手は誰だと一悶着あったり、

遊星が会社に行ってる間はヘルパーを雇うも精子相手でヘルパー大弱り。

おかしいわよ! 赤ん坊が精子っておかしいわよ!」 と主人公に現実を突きつけます。

まぁなにがおかしいって書いてる俺の頭がおかしいわけですが、

えーと、なんの話だっけ? 精液? そう、精液の味の話でした。

話の結論としては俺が飲むわけじゃないのでどうでもいいんですけど、 (最悪)

とりあえず精液なんて苦くて飲めないよ〜とお嘆きの婦女子の方々は

事が始まる前に男性にポカリスエットを飲ませてから性行為に望んでは如何でしょうか。

精液が甘くさわやかになること間違いなしですよ!!




ただの糖尿病のような気がしますけど。





私が体験した精液の味特集 Update:2003/02/01(Sat) 00:00


みなさんこんばんわ。 下ネタが大っ嫌いな遊星です。


さて、男の人はワインを飲んだら精液が酸っぱくなるのは本当か、という

ある意味現代社会の世相に一石を投じた前回の日記。

正直アレは増えすぎたアクセス数や書き込みを減らそうと思ってUPしたのですが、

なぜか今日までで書き込みが30件オーバー。

書き込み内容に至っては

ホントに味って変わるんですかねという疑問レベルから

遊星、キモイ!といったまぁそうでしょうねな普通の反応まで千差万別。

中には 最近旦那の精子が少なくて・・・ など

それはみのもんたに聞いてくれと言いたくなるような書き込みまで出てくる始末。

奥さんね、あのね、やっちゃいなさいよ! (なにを?)

そして、今日お送りするのはそんな日本の未来が心配になってくる書き込みの中から

さらに日本なんて滅んだらいいんだと思える書き込みをご紹介!

つまり、私が体験した精液の味特集ですパチパチパチ〜♪

いやーすごいですよみんな! なんかいろいろ味があるみたいですよ!

とりあえず私はこれら研究成果を元に作成した論文を学会で発表し、

2年後には博士号(ドクター)を取ろうと思います!

遊星? いやいや・・・ ドクター遊星だ!

ドクター遊星ですよ! ドクター中松先生に並ぶわけですよ!

そしてドクター中松考案の第四世代携帯 『ウデンワ』 に対抗して、

ハンペンやちくわぶに電話をくっつけたオデンワを発明するわけですよ!

喋りながら食う。 これが僕らの21世紀スタイル。 (狂った目で)

なにがスゴイって開発した俺が使いたくないとこですが、

それはともかく(前置きが長くなりましたが)皆さんの書き込み、

つーか頂いた情報を公開していきまーす。

まずはこの方。




■投稿者:紫苑さん


初めて書き込ませていただきます、紫苑と申します。

精子の味の話についてですが…色々な感想を、ネット上でお聞きします。

苦い、酸っぱい、その辺が多いようなのですが、私はしょっぱかったような気がします。

人の体液が0.9%(位だったかと)の塩水と同じだと昔聞いたので、

その影響でしょっぱいのかと思っていましたが…違うのでしょうかね?

ちなみに、チューハイを飲んだ後と発泡酒を飲んだ後は変わらなかったと記憶しています。





初めての書き込みが精液の味について、という

第一印象からして内角高めのビーンボールな紫苑さんからの情報です。

これがお見合いだったら仲人ぶっ飛ばして帰ってるところですが、

さてそんな紫苑さん情報によると精液、というか汗も涙もそこらへんの体液全部ひっくるめて

人の体液 = 0.9%の塩分 のためそれらは基本的にしょっぱいんだとか。

塩分0.9%! なるほど、これは勉強になったネ! というかもう、知識人だね!

合コンとかでも女の子を前にして



 「人の体液ってのは塩分0.9%と同じ濃度で、エーゲ海の満潮時と同じ成分なのさ(適当)」

 「ステキ! 遊星さんって物知りなのね」

 「キミもそろそろ、こっちの方が満潮なんじゃないのかい?」 (ガバッ)

 「ウフ〜ン、 あたしのアソコもエーゲ海ぃ〜!」



てなことになるわけですよ! 塩の話で相手に潮を吹かせるわけですよ!

明け方には僕の身体もしおしおですよガハハハ!

そろそろ救急車を呼んでください。

ヤバイヤバイ! さっきから頭の中身がホントにヤバイよ! なんだよさっきの合コン話!

あたしのアソコもエーゲ海。

お前の脳こそ塩湧いてるんじゃねぇのかと思わせる文章ですが、

まぁそれはもうどうでもいいとして、更に画面をスクロールさせて

他の人の書き込みを見ていくと




■投稿者:ミヤソーさん


メンソール系のカリカリした小さいお菓子、何て言うんですか? 
(注:フリスクかと)

あの仁丹をオサレにしたようなヤツ食うと
尿にハッカ分が混じった感じ

心なしか
尿道口がサワヤカ感に包まれますので

ひょっとすると精液でも前に飲んでた物が影響するかも知れません。





ミヤソーさんも人の掲示板まで来てわざわざ自分の変態プレイを書かなくてもいいのに。

フリスク食べると尿道口がサワヤカになるヨ!(´Д`;)ハァハァ って、へへ、変態!

でもこのミヤソーさんが言う 『フリスク食うと尿道口がサワヤカ』 っていうのは

本当なんでしょうか。 まぁ僕は試す勇気なんてないですけどね!

とりあえず殺人現場にフリスクが落ちていたら犯人はミヤソーさんの方向で。





■投稿者:さむかわ2号さん


血液型によって違うとの情報を入手、

早速統計を取りましたが血液型でなく個体差です、たぶん。

苦味は体調により異なると思います。 基本的にマズイ。






この人はいったい何をやっているのでしょうか。


早速統計を取ってみたってキミ、A型とかB型とか4人分試したの!?

この短期間にこの早業。 その道のプロとお見受け致します。

しかも統計の元となる情報が 『血液型によって違う』

山城新吾あたりに騙されてるんじゃないでしょうか。





■投稿者:ププリンさん


私は高校時代に友人(♂)から

紅茶花伝のミルクティーを飲むと
精子が甘くなる」と聞いた事があります。






それはただの糖尿病だ。







■投稿者:健さん


俺の友達は 『ママレモン』(洗剤) の味すんだって♪

俺も自分で舐めたけど 『スーパーカップ粉末スープ』 の味だった。

舐めなよ、遊星さんも。 おいしいよ。 こっちにおいで。







お前こそ早く帰って来い。


わかりません。 「舐めなよ、遊星さんも。 おいしいよ」意味がわかりません。

なめなよ、というかこれを読んでる僕が今まさに苦汁をなめてるとこですが、

とりあえず自分の精液を自分で舐めたあげく

それがスーパーカップの粉末スープの味だったという健さんへ。

あなたは舌か金玉か頭のどれかがおかしいと思います。

ボクといっしょに病院へ行こう! \(゜▽゜*)






えーと、わざわざ掲示板に書き込んで頂いたのに変態だの頭がおかしいだのネタにする

私が一番頭がおかしいです。 上記の方々、日記のネタにしたあげく

書き込み内容を茶化してしまい申し訳ありません。 (特にミヤソーさんと健さん)

最悪ですよね、客を罵倒する管理人って。


そして、この精液の味問題に一番的確に答えを出したのはこの方の書き込み↓




■投稿者:御手洗悠樹さん


精子の味に関しては、身体の構造上変わるハズが無いので、
もしかしたら、

尿道に残ったりしっかり洗っていなかったりした
尿と混じって味が変わった

様になっているのかもしれません。





なるほど!

精液自体に飲料物が影響するわけではなく、

精液といっしょに混じって出てくる尿の方に影響があるわけだと。

つまりワインを飲むと分解されつつも微小に残っていた味 (酸っぱさ) が尿に影響し、

性行為の際に精液と混じって出ていくわけですな!

だからワインを飲むと精液がすっぱくなると! ビールを飲むと苦くなると!

うわぉ、わかったよ! 家出のドリッピーよりわかりやすいよ!

個人的に御手洗さんにはノーベル平和賞をあげたい気持ちで一杯ですが、

うんうん、やっと謎が解けましたよ。 御手洗さん偉い! 御手洗さんスゴい!

いや〜良かった良かった、これも御手洗さんのおかげ・・・




・・・ん?

御手洗さんの書き込みにはまだ先があったぞ? なになに・・・









そう、確かに尿は味が変わります。

生まれて初めて飲尿プレイをした時

相手が夜食として味噌汁を飲んだ翌朝に行った為、

その味が
ほんのり鰹節風味だった記憶がありますし。

また、
飲み会の後で飲尿プレイをした時も、酔っていて記憶が曖昧なのですが

妙に味に納得してしまった
ハズですし・・・。








・・・・・。









>>ミヤソー様

フリスクの事ですか? そか、あれ食べた後ってそうなるんですね。

今度試しに飲んでみます(笑)







・・・・



アンタ、狂ってるよ。









連続ネット小説 Update:2003/03/07(Fri) 0:30



8:14





ピッ




ピッ




ピッ





ポーン
















あらすじ>

僕、雨宮ヒビキ。 22歳、建築学を専攻する大学4年生。 
一時期研究室でウワサになった ”白ワインを飲んだら精液は苦くなる” という仮説を
酔った勢いで実証しようとしたところ、間違って片栗粉を飲んじゃったようで、
精子が固まっちゃったんだ。
実験はとりあえず成功・・・? いや、そこまではまぁよかったんだけど
固まった精子達はキングスライムになる前の ”スライム達が集まって・・・?” の如く合体。
全長10cmくらいの一個体になったからさぁ大変。
動いてるよ! シッポふってるよ! こっち見てるよ!
え、僕が親なの? どうする? どうする?


(ピヨピヨ、ピヨ)


・・・カワイイなぁ。




















○月×日 はれ

僕と精子くんの共同生活が始まった。

狭いながらも、楽しい我が家。

僕にとっては初めての子供だ。 あとで親にも紹介しなければならない。

自分の子供に精子くんと言うのもなにか変なので、とりあえず雷電と名付ける。

「雷電」と呼ぶと心無しか笑ったようにシッポを振ってくれた。 これからよろしくな、雷電。





○月■日 くもり

雷電との共同生活も2日目となった。

狭いながらも、楽しい我が家。

ところが2日目にして早くも問題が浮上してきた。

お乳が出ません。

なんてことだ。 このままじゃ雷電は餓死してしまうじゃないか!

雷電を自分の乳首にグイグイ押し付けるも、一向にお乳の出る気配はありません。

吸って! 雷電、吸って!!

ちくしょう、なんのためのハト胸だ。 不出来な親を許しておくれ。

泣きながらテーブルの上を見ると、雷電はティッシュをもしゃもしゃと食べていた。

「ドピュッ ドピュピュピューッ!!」

僕のことを 「お父さん」 と呼んでくれた。 そんな気がしたある冬の空。

狭いながらも、楽しい我が家。






○月〒日 あめ

雷電との共同生活が始まってから1週間。

狭いながらも、楽しい我が家。

リンリン鳴る電話をとると、長崎に住む母親の声が聞こえた。

親と話すのは好きじゃない。 いつだって心配しすぎなんだ。

  東京はどうだい 一人でうまくやっていけてるのかい

  あぁ 大丈夫だよ それにもう一人じゃないし

  へぇ お前にも彼女ができたのかい

  いいや 子供さ

驚く母親の声が響く

  な なななんの連絡もよこさないで!

  急に生まれたからね 今度紹介するよ とっても可愛いヤツなんだ

  相手の人はどうしたんだい

  いないよ

  出てってしまったのかい

  出したのは僕だよ

  追い出したのかい! こ 子供にミルクとかは

  やだなぁ、ちゃんと食べさせてるよ  ティッシュを

  ティッシュ!? ふううぅ(バタ)

  もしもし?

声が聞こえなくなったので、僕は電話を切った。

うれしいはずの初孫なのに。 やはり親は心配性だ。

なんか腕がもぞもぞすると思ったら、雷電が肩によじ登ってきた。

「ドピュ?」

なんでもないさ。

無邪気な雷電を見て、自分もそういや親だったな、という事実に気付いた。

コンビニに行こうと立ち上がる。 僕が笑ったのを雷電は見ただろうか。

狭いながらも、楽しい我が家。



(つづく)






連続ネット小説 Update:2003/03/18(Tue) 0:00



8:14





ピッ




ピッ




ピッ





ポーン
















あらすじ>

僕、雨宮ヒビキ。 22歳、建築学を専攻する大学4年生。 
一時期研究室でウワサになった ”白ワインを飲んだら精液は苦くなる” という仮説を
酔った勢いで実証しようとしたところ、間違って片栗粉を飲んじゃったようで、
精子が固まっちゃったんだ。
実験はとりあえず成功・・・? いや、そこまではまぁよかったんだけど
固まった精子達はキングスライムになる前の ”スライム達が集まって・・・?” の如く合体。
全長10cmくらいの一個体になったからさぁ大変。
動いてるよ! シッポふってるよ! こっち見てるよ!
え、僕が親なの? どうする? どうする?


(ピヨピヨ、ピヨ)


・・・カワイイなぁ。




















○月×日 はれ

僕と精子くんの共同生活が始まった。

狭いながらも、楽しい我が家。

僕にとっては初めての子供だ。 あとで親にも紹介しなければならない。

自分の子供に精子くんと言うのもなにか変なので、とりあえず雷電と名付ける。

「雷電」と呼ぶと心無しか笑ったようにシッポを振ってくれた。 これからよろしくな、雷電。





○月■日 くもり

雷電との共同生活も2日目となった。

狭いながらも、楽しい我が家。

ところが2日目にして早くも問題が浮上してきた。

お乳が出ません。

なんてことだ。 このままじゃ雷電は餓死してしまうじゃないか!

雷電を自分の乳首にグイグイ押し付けるも、一向にお乳の出る気配はありません。

吸って! 雷電、吸って!!

ちくしょう、なんのためのハト胸だ。 不出来な親を許しておくれ。

泣きながらテーブルの上を見ると、雷電はティッシュをもしゃもしゃと食べていた。

「ドピュッ ドピュピュピューッ!!」

僕のことを 「お父さん」 と呼んでくれた。 そんな気がしたある冬の空。

狭いながらも、楽しい我が家。






以下、投稿作品>




○月#日 はれ

昨日の雨が嘘のようにあがって、今日は快晴。
「ピュルルルー」
雷電もゴキゲンみたいだ。
そんな雷電に好物のエルモアティッシュをあげていると、
僕の部屋の呼び出し音が鳴った。 いったい誰だろう。

「こんにちは、元気?」
研究室の仲間、満子(ミツコ)さんだった。
雷電の世話で大学を休んでいた僕を心配してきてくれたのだ。
「ピュッドピューイ」
雷電が満子さんの顔面に飛びついた。
あはは、こいつう、子供のくせに満子さんを気に入ったのかあ?

「ぶわ!」

満子さんは清純な女子大生が口にしない叫び声を発して全速力で走り去っていった。
そうだ、雷電が生まれたことをまだ話してなかったよ。 ドジな僕。 彼女が驚くのも当然だ。
「ビュル〜」
雷電、気にするな、お前のせいじゃないよ。
あした大学に行って、満子さんに事情を話さなきゃ。

狭いながらも、楽しい我が家。


ミカヂリさんの投稿)






◎月日 はれ

今日は雷電の食料を買いに、街まで行く事にする。
厚いながらも寂しい財布。(つまりは小銭ばかり)
最近雷電の主食であるティッシュが、少し値上がりしている
様な気がする・・・・・どうやら古新聞を中国に輸出してるため、
原料不足におちいっているらしい。

仕方が無いので、トイレットペーパーを買って食べさせてみる事にした。
「・・・・・ドピュ・・・・・・・」
「どうした雷電?食べないのか? 好き嫌いは駄目だぞ〜」
「・・・・・」
フム。 いつも良い子の雷電がこれ程嫌うとは。
2枚重で香りまでついているのに。
・・・・・ハッ!手触りだ! 確かに、いくら高級品とは言え
その手触りはネ○ピアには遠く及ばない。
あの滑らかな肌触りこそが必要なの?
ためしにポケットティッシュを食べさせるがやはり食べようとはしない。

「ドビュピュピュピュ〜〜〜♪」
今日も幸せそうに箱ティッシュを食べる雷電。
狭いながらも楽しい我が家。


(小狐丸さんの投稿)






あまり可愛ひので抱いて寝てやらうかと思つたが、いつまでもゝぞもぞして、
落ち着かないやうである。 やつぱり水の中の方が落ち着くのかと考えて、
たらいに微温湯を張つてやつたら、落ち着くと見へて、頭だけだして
すやすやと寝息をたててゐる。 寒ひといけないから、ブリキの湯たんぽに湯を溜めて、
たらいに沈めてやつた。 寝息をたてる雷電を見てゐると、ちつとも眠くならなひ。
雷電が可愛くてたまらない。
 テイツシユを好んで食べるが、あんな塩味の無ささうなのが、そんなに良ひのだらか。
私のお膳を見て、どうも欲しさうにしてゐるやうに思へて、胡瓜の醤油漬けをやつたら、
少し舐めたけれど、まだ歯が生へないから、飲めないやうだつた。
吐き出した胡瓜を見て名残惜しさうにしてゐるのを見て、やつぱり塩味が欲しいのだらうと思つて、
塩とかつおだしの汁にオートミールを溶いてくれてやつたら、喜んで食べた。
さういえば、白ひ物ばかり摂つてゐるから、こやつの体は白ひのだらうかと思う。
玉子の黄身を多く舐めさせれば黄色くなるか、雷電よ。


アムヘンさんの投稿)






○月×日 あめ

どうしよう。
急に雷電の食欲が無くなってしまったようだ。
朝から色々なメーカーのティッシュをあげても全然食べてくれない。

あれこれ手を尽くしたのだが僕の力ではもうどうしようもなくなってしまった。
僕は雷電に「すぐ戻ってくるから!」と言い、すぐ近くの市民センターへと駆け込んだ。

育児相談所のお姉さんに聞いてみる。
『どうなされましたか?』
「あ…!あっ…あの…!!」
『大丈夫ですか?落ち着いて話してみてください』
「てぃ…ティッシュ以外に精子が好きなものってなんですか!?」
『え?』
「…だから精子ですって! 精子ですよ精子!」
『きゃぁぁぁぁぁあああ変態!!!』
なんて失礼な人なんだ。
僕はこんなに雷電のことを想っているのに。
「精子ですっ…! お願いですから…! ウチの子がっ…!」
ふと、男性職員が僕の周りを囲む。

そして雨音に混ざってサイレンの音が。


(ダンディ坂野さんの投稿)






▲月▽日

雷電との始めての冬。
僕はここ3日寝込んでいる。
体温39度。買い置きの食料も底を尽きた。
体が重い。 頭が痛い。 吐き気がする・・・。
混濁する意識の中、雷電が僕を心配そうに覗き込む姿が見える。
「ドピュ〜・・・」
ああ。 雷電。 もしかしたら、僕はもう駄目かもしれない。

・・・・・・・・・。

ぐつぐつぐつ・・・。
何かが煮えている音で僕は目を覚ます。また眠ってしまったようだ。
頭には程良く冷えた濡れテッシュ。 隣には、寝息を立てている雷電。
雷電・・・僕を看病してくれてたのか?
重い体を引き起こす。
コタツの上にカセットコンロと鍋。
おでんの良い香りが部屋に充満している。
・・・ありがとう。雷電。

熱いコンニャクを口に入れる。
コンニャクの真ん中には、何故か切れ目が入っていた。

狭いながらも楽しい我が家。


(らーめん萬。さんの投稿)






○月◎日 晴れ

「ヒビキの野郎、最近どうしたんだ」

彼の名は下田ハデキ。 ヒビキの親友だ。
彼は、最近大学に来ないヒビキの事を何故か気にしていた。
「うーん、連絡もつかないし、女でも出来たのか?」
結局あれこれ考えたが、家にでも押し掛けてみることにしよう。
途中、何か買っていこうと考え、コンビニに寄った。
「いらっしゃいませ」
何故だか分からないが店員は、愛想良くこちらに問いかける。
缶コーヒーと雑誌を買って店を出る。 そろそろ、ヒビキの家に着くだろう。
彼の家はボロいアパートだ。 もし女でも出来ていたら、声が外に聞こえるだろう。

(・・・・・)

(・・・なんだ! 女の声じゃないぞ!?)

ハデキは声の主が精子とは知らない。 ハデキは壁に耳を近づけた。

「おとうさん〜 おとうさん〜 ティッシュ、ドピュ!」
「なんだ今日も、いっぱい出したなあ! 元気がいいなあ、雷電は」

ビニール袋から缶コーヒーがこぼれ落ちた。

「だれだ!」ヒビキが窓を開け外をみまわす。
「だれもいないじゃんか? なんだろうなあ雷電」
「ドピュ?」

サンデーを持ちながら、一人悲しく走るやつがいた。


(いとちんさんの投稿)






♪月◆日
 
 ピューッ ピューッ
やっと寝たか
雷電を寝かしつけると 
桐生かおりの形のいいおっぱいを楽しむことにした
1児のパパになったとはいえ 僕はまだ20代
リビドー猛る年頃だ
明かりを消して 耳にイヤホンを当てて
隠れてAVを見る
なんだか中学時代に戻ったみたいだ

行為が終わって 寝室に戻る
安らかな雷電の寝顔
その天使のような愛くるしい寝姿に
 あぁ僕はなんてバカなことをしていたんだ
 こんなにかわいい息子がいるのに
と、
激しい後悔と
桜木ルイの喘ぎ声と
母親と眼が合った中3の夏を思い出し

僕は少し泣いた


ホテイさんの投稿)






○月▲日 あめ のち はれ

「も〜い〜かい?」
「ピュッピュピュピュッ」
今日は日曜日。 特に用もないので雷電と遊ぶことにした。
遊び、といっても雷電はまだ生まれたばっかりの小さな子供だ。
だから、武蔵伝なんて高度なゲームは出来ないし、
銭湯で剣道なんて危なくてやらせらんない。
こうして、狭い我が家を目一杯使って、かくれんぼをしてるんだ。
「どこだぁ? お〜い、らいで〜ん」
さすがに小さいだけあって探すのも一苦労だ。
でも、やはり子供。 隠れる場所なんてだいたい決まってる。
「み〜つけた」
「ピューッ」
思ったとおり、サスケとシャアの間に隠れてた。
「雷電はホントにその場所が好きだなぁ」
狭いながらも、楽しい我が家。


(長ネギさんの投稿)






♪月♪日

雷電は僕が学校に行っている間は独りきりだ。
いつもはそんな素振りも見せず笑顔でいるけどホントは寂しいのではないだろうか。
そう思って僕は決心した。 雷電の兄弟を作ろうと。
あの時と同じく片栗粉と、今度はネギでも混ぜようかな。
30人の女生徒に囲まれそうな、それでいて一人称が小生みたいな子が生まれますように。
だけど、アレ。 おかしいな。

赤い。

赤いものなど食べてない赤い子が生まれてしまった。
あ、なんだか小躍りしてる。 なんだ照れて赤くなってるのか。 カワイイ奴だな。
早速雷電に紹介しよう。 きっと喜ぶぞ。

雷電、キミに妹が出来たよ。

雷電も喜んでる。 お兄さんぶって、仲の良い兄妹になりそうだ。
ってアレ、おい雷電。 ちょっとくっつき過ぎじゃないか?
やれやれ、誰に嫉妬してるやら。
だけど雷電は僕のそんな感傷なんて気にも止めず――
まるで注がれたミルクを侵食するコーヒーのように――
螺旋を巻きながら――
名前も決まっていない妹を取り込んだ

アレ?


(あきとさんの投稿)







@月%日

雷電との共同生活も1ヶ月が過ぎた。

狭いながらも、楽しい我が家。

「ピューッ! ドピュピュピュッ ピュー!」

雷電が妙に興奮している。 さっきまでプロレス中継を見ていたからだ。

ジャンプ。 回転。 仮面ライダーの人形に体当たり。

ひとしきり動いたと思ったらユンケルのビンに寄り掛かっている。

赤コーナーのつもりらしい。

「もっと強いヤツと闘いたい」 雷電の目がそう告げていた。

「暴力はいけないなぁ・・・」 親として、雷電の前に立ちふさがる。

Tシャツを脱ぎ捨てた。 本気の僕を見せてやる。


ヒビキ VS 雷電 (30分一本勝負)


カーン! (ゴング)

ふふふ、雷電。 キミに格闘技というものをレクチャーしてあげよう

よっと・・・む、意外とすばしこいな雷電

ふん、接近戦を挑むつもりか

(ヌルッ) うひゃ! く、首は・・・

あ、あれ? 雷電が背中から・・・

ちょっ ちょっとそんなとこ・・

ダメッ 雷電そこは・・・ はぁっ

・・・

・・・

あ。


カンカンカンカン


● ヒビキ − 雷電 ○


その日はまともに雷電の顔を見ることはできなかった。

なにか大事なものを失くしてしまった。 そんな気がしたある冬の空。

狭いながらも、楽しい・・・我が家・・・ (涙ひとすじ)


(遊星)






INDEXへ

inserted by FC2 system