■スーパードルフィーの世界(前編) |
Update:2003/7/24(Thr) 03:00 |
「遊星くん、ちょっと日曜日買い物付き合ってくれない?」
それは唐突に言われた一言。
会社でいつものようにキーボードをペチペチ叩いて仕事してると、
別の部署で働く亜希子(仮名)さんが現れ僕にそう告げました。
「ちょっと買い物したいところがあるの・・・遊星くん、忙しい?」
ぶるぶるぶるぶる。
光速に等しい動きで首を横に振る私。
デート! デート! 日曜は女の子とデートだよキミィ!
忙しいだって? あぁ、キミのことを考えるのに忙しいね!
いやー日頃の行いがいいといい事も起こるもんだよね。
やっぱりあれか、こないだ先輩が打ち合わせと称して映画見に行ったのを
部長にそっと教えてあげた正直さがきいているんでしょうか。
正直者! 正直者! 走れ正直者!(リ〜ン リ〜ン
ランラン ソーセージ〜♪)
そんなわけで日曜当日。
新宿アルタ前で彼女と待ち合わせ。 彼女だって! エヘヘェ〜 「(^__^*)
待つこと10分で彼女も到着。 ううん、全然待ってないよ!
「じゃ、行こうか」
「ううん、もう着いたよ」
「へ? 着いたってここアルタ・・・・」
「そう、ここの8階」
「8階!?」
そう、そこは・・・・
そこは・・・・・
スーパードルフィー専門店
『天使のすみか』
(新宿アルタ 8F)
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( ゚Д゚) ・・・・・。
・・・え、えとですね、放心状態の私が亜希子(仮名)に問いただしてみるに、
スーパードルフィーとはリカちゃん人形を100倍ゴージャスにしたお人形の事であって
自作の服を着せたり写真を撮ったりしてそれを友達に見せてオホホホホ
そんなことを聞いているんじゃない。
問題はなぜ、なぜ俺がこのお店の前にいるかということ。
これはアータ、どういうことザマス?と野際陽子口調で聞いてみると、
「あぁ、遊星くんもそっちの趣味がありそうだったから」 と驚愕の一言。
そっちの趣味がありそうだから。
えーとごめん、そっちには俺、いないんだ。
いやいやいやいや俺ノーマル! ロリコンでも人形好きでもないから!!
ロリコン! ロリコン! 走れロリコン者!(チ〜ン
チ〜ン ポコポコ ソーセージ〜♪)
というか日頃そんな目で見られていたかと思うとショックひとしお。
明日から会社のPCの壁紙を古手川裕子にしようと思います。
んでまぁ店内に入る前に予備知識としてスーパードルフィーとやらの話を聞いてみると、
車好きがパーツ組むのが好きなように人形の服作ったりやメイクをするのが楽しいらしく、
仲間同士で人形の見せ合いっこしたり写真をサイトに載せたり、
時にはお茶会などして遊ぶんだとか。
そのスーパードルフィーの魅力は凄まじいほどで、
中にはハマリすぎて給料のほとんどをつぎ込み借金までして人形のドレスアップ、
更に借金が増えてもやめるにやめれず、もう人形のために働く毎日で・・・
・・・という友人の実体験を笑顔で語りだす亜希子。
あ、悪魔かお前は! 「それでさーその子がまたケラケラ(笑)」
じゃねぇよ!!
そんで俺が友人も大変なんだからあんまり笑うんじゃないよ、っつったら
「だってあの子の人形、私のより綺麗なんだもん!」
嫉妬かよ!
私のより綺麗、イコール借金で苦しみなさい。 心の悪魔を垣間見ました。
なんだよお前は! 天使なのはブラだけかよ!!
人形を買う人っていうのはやはりその道 (ゴスロリ&オタク) の女の子が多いらしく、
つまりスーパードルフィーとは非常にお金のかかる贅沢な遊具であり、
かつ一般人がうかつに踏み込んではいけない彼岸の住人のお遊び。
とりあえずわかったのは素人はガンタンクでも作ってろってことでした。
そんなこんなで新宿アルタ前。
スーパードルフィー専門店、”天使のすみか” は場所が新宿アルタ8Fという
うっかりタモリが現れそうな場所に位置しており、
また新宿アルタのエスカレーターは7Fまでしかないため
このお店に行くにはエレベーターで直接8Fを選択するしかありません。
なんでこのお店だけアルタの中で隔離されているのか。
それは各自で考えようね!
んで僕らはアルタ1Fのエレベーターから8のボタンをプッシュ、
内心今なら事故ってもいいと思いつつも無事到着すると、
エレベーターを出てすぐの看板にはこんな文字がお出迎え。
〜お客様へ〜
天使のすみかは、スーパードルフィーの『聖域』(サンクチュアリ)として
お客様とスーパードルフィーとの素晴らしい出会いのお手伝いさせていただきます。
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スーパードルフィーのサンクチュアリ。
そんな事書いてるからアルタから閉め出されたんだと思いますが、
冷やかしお断りという注意書きとして見ればこれ以上ない効果を放っており、
聖域って言われて聖闘士星矢しか思い浮かばない人はここでお帰り願うわけです。
まぁお店に集まる人達もある意味ゴールドセイントなので
聖域というのも間違いではないのでしょう。
入り口前の廊下にも聖域だけあって結界・・・じゃなかったポスターがたくさん貼っており、
道に迷って8Fに来た一般人を即座にUターンさせる効力バツグン。
この時点でエレベーターに乗ってきた約半分が無言で降りていきました。
なんつーか、まだ廊下を通って入り口に着いただけなのに
ウルトラクイズの決勝に残った気分なんですが、
そしていざ、店内へ入ると・・・
・・・・・。
・・・・・。
・・・うん、えーと、その・・・
人形バカにしてました。 ごめんなさい。
いやあのね、僕ね、人形ショップって言われてたから
ついついキャベツ畑人形っつーかキューピーちゃんにヅラかぶせたっつーか、
アメリカーンな人形想像してたんだけど、全然違うのね!
最初の方にも載っけたけど、
こういうのじゃなくて、
チャイルドプレイ想像してました! ごめんなさい!
んでね、人形ね、普通に綺麗。
あーそりゃ女の子もハマるわな〜とか思いました。
見てくださいよこの人形の顔。 メイクも凝っててめちゃめちゃ綺麗ですよ。
こっちは着物を着てますよ。 帯一つとっても職人芸ですよ。
ふむふむ・・・ ふ〜〜ん・・・・・
ま、まぁだからと言って、買うほどではないよね!
買うほどでは・・・・・
!?
・・・・・。
え、えーとですねぇ・・・・ コホン。
そんな人形たち・・・あ、いやいやスーパードルフィー達に囲まれてるうちに、
この私、つい思っちゃいました。 買ってもいいかなって。 (え!?)
だってめちゃめちゃ綺麗なんですよ! 人形といってバカにできないですよ!
ポーズとらせてみたいですよ! 着せ替えとか楽しそうですよ!
会社から帰ってきて語りかけたいですよ!!
なに、遊星キモい? はぁ? お前にはこの良さがわからないのか?
素人はガンタンクでも作ってろよ!!
この遊星、やると決めたからには必ずやり遂げる男!
買う! 買う! 買う! 買う! 買ってやる!
よぉーしいくらだオラアーーーッ!?
-¥80,000
ガンタンクください。
次回、「スーパードルフィーの世界(後編)」につづく (つづくのかよ!)
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